2013年6月18日火曜日

新しいドキュメンタリーができました。  


 画像をクリックすると、プリントできるチラシが開きます。

DVD:一般観賞用価格 2000円(税込み) 

図書館、学校などのライブラリー用価格:15000円(税込み)
上映会用ディスク(高解像度)貸し出し価格:10000円
お問い合わせは、原爆症認定集団訴訟の記録製作委員会まで

2013年6月16日日曜日

作品の紹介

2003年の春に、日本の被爆者が被爆してから60余年後に「私の病気を原爆症と認めてほしい」と、日本政府相手に全国の地方裁判所17箇所で訴訟を起しました。世にいう原爆症認定集団訴訟です。

  国は裁判で負け続け、高等裁判所まで含めると原告被爆者たちは29勝。裁判史上過去に例のないことです。日本の裁判官たちは原告被爆者たちの主張を認めて、政府厚労省に対し、被爆者援護法にもとづいて幅広く原爆症と認めて必要な援護策を講ずるようにとの判決を下したのです。追いつめられた国は、原爆症認定基準の見直しを迫られ、一定の改善をしました。ですが、いまだ司法が下した判断には従わず、「原爆症と認めてほしい」との被爆者たちの声を無視し続けています。
 
   作品は、集団訴訟にいたる経過からその終結までを追いながら、原告被爆者たち、弁護士、証人となった医師や科学者、そして判決を書いたもと裁判官たちへのインタビューを丹念に重ね、ときに図入りの動画で次のようなテーマを平明に紹介して行きます。

 ★原告被爆者たちが集団訴訟に立ち上がらざるを得なかった背景。
 ★放射線の人体への影響。
 ★裁判所で、原告、弁護士、証人となった医師や科学者たちがとった方法。
 ★裁判官はなぜ、原告被爆者の主張を認めたのか。
 ★集団訴訟解決のために日本政府と日本被団協が結んだ「確認書」とは。
 ★政府は被爆者の救済になぜ消極的なのか。
 ★集団訴訟は、福島原発後に生きねばならぬ人々にとって、どんな意義があったのか。
 
  製作は、集団訴訟を支えた弁護士有志が中心となった原爆症認定集団訴訟の記録製作委員会。脚本と監督を、2011年の「原爆症認定集団訴訟の記録 にんげんをかえせ」の有原誠治。作品に挿入された曲は、集団訴訟の集会などでよく歌われた「折り鶴」(作詞作曲:梅原司平)。映像の中の合唱は、三多摩青年合唱団。
 2013年4月完成、7月に試写会で公開され、同時にDVDが販売。

『おりづる』の上映会のご案内

2月11日川崎市で上映会と座談会




ご案内のPDF

主な制作スタッフ

ナレーター 島 ゆうこ 
男性の声  西岡 賢吾
音声収録  ウォーターオリオン
スタジオ  竜の洞窟
エンジニア 浦田 伸司 ジョン・ジウン
録音監督  福島央俐音 

挿入曲   「折り鶴」 作詞・作曲 梅原 司平  
            協力 ㈲プラナミュージック
                合   唱  三多摩青年合唱団(特別協力) 

挿入映像 『広島・長崎における原子爆弾の影響』
                 協力  ㈱日映映像 山内 隆治 
         「被爆者運動デジタルアーカイブス(仮)by磯部」
                        協力 磯部元樹

参考資料・文献 
 「原爆症認定集団訴訟・たたかいの記録」 日本評論社
 「原爆症認定集団訴訟があきらかにしたこと」 あけび書房
 「原爆症認定集団訴訟 広島 記録集」 広島県民会議
 「被爆者はなぜ原爆症認定を求めるのか」 岩波ブックレット
 「ふたたび被爆者をつくるな 日本被団協50年史」 あけび書房
 「封印されたヒロシマ・ナガサキ 米核実験と民間防衛計画」  凱風社


動画制作  猪鹿倉智幸
撮  影    有原 誠治      高部 優子  池田 圭介
構成・編集  有原 誠治  高部 優子 

脚本・監督 有原 誠治

製     作       原爆症認定集団訴訟の記録製作委員会
                        有原 誠治    伊藤 直子
                       大久保賢一     鹿野 真美  
                         高部 優子    田部知江子
                       中川 重徳   宮原 哲朗       

上映会などでの反響


2013年7月1日 完成披露試写会での感想



知らなかったことがこんな短時間でわかったつもりに

男性 45歳 集団訴訟は=はじめて知った。
知らなかったことがこんな短時間でわかったつもりになるなんて、長い間苦しみたたかってきた被爆者の方々に申し訳ないとさえ思える作品でした。
 まだ課題があることもわかりました。時間とのたたかいであるはずなのに、法律がなかなか改正されないのは、もどかしいですね。


男性 77歳 集団訴訟は=くわしく知っていた。
被爆者の一人として、試写会を観せて頂きました。
母が犠牲になり死に目に会えず、やはり昔を思い出しました。
なかなかの出来栄えでした。今後ともがんばって下さい。

女性 43歳
当事者の方々の声が聴けて良かったです。
なぜ国(厚労省)は認めないのか、本当にアメリカへの配慮だけなのか。
この点を、もっと良く知りたいと思いました。

貴重な記録で希望の記録でもある
男性 45歳 集団訴訟は=聞いたことがあった。
3.11 震災に伴う福島原発事故による第二の被爆国となった日本において、福島で原発被害に今も苦しむ福島の人々のみならず、日本市民一人ひとりにとっても貴重な記録であり、希望の記録でもあると深く感銘を受けました。
また、原爆・核兵器および原子力発電所は、人類の幸福、福祉に反する、まさに人道に反するもの、存在であることを世界に訴える強力な(非暴力的な)武器、ツールになり得ると確信しました。
本日は、ありがとうございました。多くの方にも、知らせていけたらと思います。


男性 52歳 集団訴訟関係者
今から改めてふり返って、大変なたたかいの一部に加わったんだということを思いました。
朝長先生のお話しは、被爆者を知っている医師の全員が納得する内容だと思います。広めてゆきたいです。医師団の活躍を、もう少し強調してほしかったです。
フクシマにつづく、安斎先生の話も重要だと思いました。


一途な気持ちが伝わって来た
女性 集団訴訟は=聞いたことがあった。
被爆者を親に持つものの、集団訴訟の歴史を知りませんでした。原告被爆者自身、弁護団、裁判官、各支援団体のたゆまぬ努力はもちろん、この映画の製作に関わった方全員の一途な気持ちが伝わって来ました。
被爆者の体験談を後世に伝えることはもちろん大事ですが、訴訟のことも伝えていかなくてはなりません。一人でも多くの方に観てほしいですし、外国でも上映してほしい。
現日本政府関係者、米国オバマ大統領にも観てほしい。


男性 34歳 集団訴訟関係者
まとまっていて、訴訟の流をふり返ることができました。膨大な資料の中から作成するのが大変だったと思います。撮影者のイソベ氏にも感謝です。


多くの疑問と解答。大変面白かった 男性 26歳 集団訴訟は=聞いたことがあった。
国がちょこちょこと負け続けていたのは知っていた。個別訴訟からなぜ集団訴訟へ至ったのか。そこから始まる多くの疑問と解答。大変面白かった。
原告の方々だけでなく、弁護士、裁判官、医師、事務局、有原監督、そして磯部さん。それぞれがどう頑張っていたのかが見え、大変おもしろかった。


女性 72歳 集団訴訟は=聞いたことがあった。
みなさん、よく頑張られたと思います。この映画は、それぞれの活動をよく描いておられ、分かりやすかったです。学ぶことも多く、これからの福島のことを考えるのに役立つと思います。
見せていただき、感謝しています。多くの方に見て頂くことができますよう、願います。
有原さんの作品を、また見せて頂き、ご活躍を知り、嬉しかったです。

女性 70代 集団訴訟は=聞いたことがあった。
アメリカに配慮し、被爆の実態に目をつぶり、過小評価する政府に、国民はこの政府に守られていないとくやしいです。でも、集団訴訟でねばりづよく闘ってこられた方々に頭が下がります。
福島の原発事故の被曝者も同じです。自分の国の政府に守られるべきです。
貴重な映像を残して下さったことに、感謝します。


男性 83歳
わかりやすく、集団訴訟、大変なことだったと思いました。
作品は残るもので、ご苦労さまでした。


男性 70代
わかりやすい内容でよかった。
安保と核の傘が、被爆者をはじめ、日本人を苦しめていると思いました。


女性 79歳
被爆者の一人ひとりの証言こそ、原爆被害の事実です。
いつまでも認めようとしない国に、怒りを覚えます。
途中で(訴訟)あきらめたヒバクシャが可哀想に思えてたまりません。
記録で多くの人々に見て貰えるように広めていきたい。
広めるべきです。


未来を展望する作品になっている
男性 54歳 集団訴訟は=知っていた。
認定訴訟については、以前より情報を得ていたのですが、改めて全体の記録を通して見て、この裁判の歴史的な意義を理解することができました。
この作品は、前作「にんげんをかえせ」同様、裁判を通して{人間}を回復する闘いのすばらしい記録であるだけでなく、裁判終結の後の未来を展望する作品になっていて、私たちの今後の活動への決意をうながすものであると思いました。
 また、弁護士の方が、国の論理にどう対抗するかを語っている場面があり、興味深く見ました。元裁判官のお話しも、貴重な映像だと思いました。
 この作品を未来につなげたいと思います。
DS85など「国の論理」の側も、もう少し詳しく知りたいと思いました。1980年代に、認定者が激しく減ったのは、これが原因なのでしょうか?

男性 76歳 集団訴訟は=はじめて知った。
闘いの記録に感動と感謝!
有原さんの想いに大いに感動しました。ありがとうございました。


女性 報道関係者
最後まで流れ続ける「折り鶴」の歌声にのせて、訴訟を振り返ってゆくので、分かりやすく一つひとつ納得してしまいます。
高橋博子さん、安斎育郎さんの語られたことが、印象深く残りました。
いつも、良い作品を作って下さり、ありがとうございます。



2013年4月1日 東京弁護士会館での試写会

Tさん(被爆者)
以前のDVD(『にんげんをかえせ』)とまったく違うもの。改めて勉強になった。

Nさん(被爆者)
すごくよくできて、感心した。
一人一人がすばらしかった。いい記録だと思った。

Mさん(ジャーナリスト)
特に胸を打たれたのは、北海道の弁護士の発言。


被爆者の思い、時間がないということがよく伝わってくるし、運動の課題もよく
わかるすばらしいものでした。

Fさん
十余年の闘いで何を得たのかよくわかるし、感動、怒りもありとてもよかった。

Cさん
「にんげんをかえせ」を読んだ。厚労省前で中山さんが「俺たちが何をしたという
んだ」と叫んだことを思い起こした。よくわかった。

Yさん(原告被爆者)
非常によく勉強してまとめられた。敬意ををひょうします。
前のも(『にんげんをかえせ』)あわせてみてもらうほうがいい。
もう少し、情に訴えた方が良い。

東友会 Oさん
本当によくまとまっている。
原告団、弁護団、支援のみなさんも10年間よくがんばったと思う。
全国の人、被爆者以外の人に見てもらいたい。

Aさん
73分だが、長くは感じなかった。
飽きないように、巧みだった。

三多摩青年合唱団  Hさん
50年活動してきている。
これからいろいろなところで上映すると思いますが、歌で支援します。
現役の教員だが、生徒たちにどうやってひろめていけるか、集団訴訟を知らない生徒、教員がほと
んど。福島と重ねてと安斎さんが(映画の中で)発言していた、中学3年生、学校で上映会ができたらい
いと思った。

Tさん
本当にわかりやすく、勉強になりました。
母も出て、母の歩みも後ろでみていたようで、かわりに頑張ってやっていきたい。
力づけていただいてありがとうございました。

Yさん(ジャーナリスト)
不勉強なものにもわかりやすかった。
原爆症認定の裁判をちらちら聞いてはいても、整理されていなかったので、流れ
や国の制度、被爆者の方々の思いがわかって、勉強になった。
これをみて福島のことが浮かんできた。
半世紀たって裁判をおこして、少しずつ制度をかえている、その記録を見ながら
福島と重ねて見ていた。
福島にいかさないといけないんだなと感じた。

Yさん(原告被爆者)
努力に感謝したい。
ただ、敗訴原告の言葉も聞きたかった。
若い弁護士にも出てほしかった。

Kさん
いつも泣いてしまう。
情に訴えないと山本さんは言っているが、そうじゃなく心に訴えるものもあるの
かなと思いました。

Fさん
胸がいっぱいになりました。
コンパクトな中にも一般の方に伝わるよう作っている技法はすごいと思いました。
あり方検討会の10,11・・・に現実に引き戻された。
いいものをありがとうございました。

T・Fさん(ジャーナリスト)
報道に触れる機会はあっても、実際取材していなかったので、
実際映像でみると胸に刺さり多くの人に見てもらいたい。
申請されて却下を受け取るという気持ちを考えると、広島の人たちにも見てもら
いたい。

さん(弁護士)
他の方がおっしゃったように、わかりやすいという感じがした。
北海道の弁護士の言葉は、亡くなった人たちがたくさんいるということを伝えている。
ということと、原告になることが大変なことだということがわかりやすかった。

Tさん(弁護士)
今日、初めてみた。
福島を意識したものを作れないかと話していた。
森野元裁判官が出ているので、後輩の法律家に見せたい。

Nさん(弁護士)
分かりやすくて、最後でぐっとよくなっていくものだと感心してみていた。
どんどん訴訟で勝っていくとき、どういうふうに解決するのか見えないときに、みんな
で本当によくやったなと思い出した。
みんなでというのは、被爆者のみなさんと一緒にやらせてもらったなと思った。
良い体験をさせてもらったとつくづく思った。
大江さんが立ち上がるのによくわかった。
頑張って世界へ。普及をしましょう。

Oさん(弁護士)
みなさんの感想を聞いて、わかりやすかったというのが多くて嬉しかった。
今回、映像を見て自分がなにをやろうとしていたのか改めて理解できた。
普及を工夫したい。
英語版を作り、国際的に知ってもらいたい。
核兵器の非人道性を知らしめるために、この映画が貢献できるのでは。